元殺し屋と、殺し屋










「じゃ、学級委員は男子が神崎、女子が玉置で良いか?」



クラスメイトが、面倒臭そうに拍手をした。




「よろしく頼むぞ。神崎、玉置」



先生がニコッと笑いかけてくる。



「お任せくださいっ!」



私も笑顔で返した。

神崎くんは、小さく会釈をしている。



私は神崎くんの方を向いて、「これからよろしく」という意味を込め、笑顔を向ける。

神崎くんは、チラリと見た後、フイと視線を外した。




って、は?

何故視線を外された?

私の笑顔・・・完璧のはずなのに。

普段温厚で怒ったことのなく、常に神様のように微笑む、氷さん仕込みの笑顔だよ?

普通は癒されるはずなのに。

私が氷さんを疑わず、殺し屋になったのも、全てあの笑顔があったから。

あの笑顔なら、誰でも信じられるはずなのに・・・。




どうしてだろう?

あんまり普通の人は気にしないと思うけど。






私はどうしても、

気になってしまったんだ・・・・。










< 35 / 285 >

この作品をシェア

pagetop