元殺し屋と、殺し屋
「じゃ、学級委員は男子が神崎、女子が玉置で良いか?」
クラスメイトが、面倒臭そうに拍手をした。
「よろしく頼むぞ。神崎、玉置」
先生がニコッと笑いかけてくる。
「お任せくださいっ!」
私も笑顔で返した。
神崎くんは、小さく会釈をしている。
私は神崎くんの方を向いて、「これからよろしく」という意味を込め、笑顔を向ける。
神崎くんは、チラリと見た後、フイと視線を外した。
って、は?
何故視線を外された?
私の笑顔・・・完璧のはずなのに。
普段温厚で怒ったことのなく、常に神様のように微笑む、氷さん仕込みの笑顔だよ?
普通は癒されるはずなのに。
私が氷さんを疑わず、殺し屋になったのも、全てあの笑顔があったから。
あの笑顔なら、誰でも信じられるはずなのに・・・。
どうしてだろう?
あんまり普通の人は気にしないと思うけど。
私はどうしても、
気になってしまったんだ・・・・。