元殺し屋と、殺し屋
ひょ、氷さんが殺されるのは困るな。
氷さん自身には返しきれないほどの恩があるし、あのバーも大好きだし。
氷さんに死なれると、デメリットしか残らないっ!
本当は嫌だけど・・・。
氷さんのためだ!!
「良いですよ。ただし、1度だけです」
『ありがとう紅羽っ!
じゃ、今日早速バーに来てくれるかな?』
「わかりました」
本当に、1度だけだからね。
もう2度と殺しはしないと決めたんだから。
有咲との約束なんだから。
私は家へと急いで帰り、バーへ行く準備をした。
女子高生がバーになんて行っているのを高校の誰かに見つけられ、退学の危機になったら、今日の生活がすべてパーだから。
軽くお化粧をして、Tシャツジーパン姿というラフな格好に。
この姿が、家からバーへ行くときの姿。
私、お化粧すると、私ってわからなくなるらしいからね。
さ、行くか。