元殺し屋と、殺し屋
「あの平和なクラスに殺し屋はいないと信じていたのにッ!
どうしてあんたは殺し屋なのさっ!!」
「・・・馬鹿ですね」
馬鹿!?
この私が?
「殺し屋なんて、ザラにいますよ。
だって、あなたもそうでしょう?」
「・・・私は、違うもん。
もう・・・殺し屋やめたもん」
「では何故来たんですか」
「氷さんに頼まれて・・・」
「玉置さんは普通の女子高生になろうと努力した。
でも、玉置さんの心の中には、まだ殺し屋ダークの心が存在しているんです。
氷さんのためじゃない。
あなたはダークの心の指示に従ったんですよ」
「違うもんっ!
私は殺し屋じゃないっ!
ダークの心なんて、もう消えたんだ!!」
「いえ。
あなたのダークの心は消えていません。
だからあなたは“普通”の女子高生になろうとした。
“普通”の女子高生は、“殺し屋”の心は持たないから。
“消したい”から、あなたは殺し屋を止めたんです」
冷たい、紫色の瞳が、私をジッと見つめる。
・・・逃げられない、この瞳から。