元殺し屋と、殺し屋









氷さんは、組織に所属している殺し屋のプロフィール、住所、学校、家族、経歴、全て知っている。

組織にいた、私のことも。


神崎と私が同じ高校だと知っていた可能性は、大いにある。




「さすが紅羽。
そうだね、知っていたよ?」

「それを神崎に教えた。
“ダークは同じ学校の玉置紅羽”だと。
だから神崎は私のことを知っていたんですねっ!!」

「さぁすが紅羽!
相変わらず鋭いね」




氷さん、策略家!




「じゃ、仕事しておいで」

「嫌です。
同じクラスの裏切り者と一緒に仕事したくありません」

「紅羽・・・」



氷さんは捨てられた子犬のような瞳をして、眉毛をハの字にしている。

可愛い・・・けど、やだっ!




「待ってくださいよダークさん。
どうして俺が裏切り者なんですか?」

「あんなに平和なクラスに殺し屋がいるのが裏切り者なのよ」




殺し屋はいないって、信じていたのに。







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