元殺し屋と、殺し屋
「上出来です、紅羽」
ニコリと微笑まれ、思わず顔をそらせる。
コイツ・・・なかなかのイケメンだ。
恭真とか、久保田総司よりも。
銀髪とか、目とか関係なしに。
マジでイケメンだ・・・神崎は。
クラスでの地味男とは思えないほど。
暫くして、駅に着いた。
「俺が払うから」って、神崎は切符を買ってしまった。
私が慌ててお財布の中から切符代を出し、払うよとは言ったけど。
神崎は丸っきり無視。
その後も私はしつこく「払うよ」と言ったのだが、「良いから良いから」と無理矢理丸められたので、私も大人しく奢ってもらうことにした。
今度、奢り返してやろう・・・。
電車は少し混んでいた。
夜遅いからか、乗っているのは会社帰りらしいオジサンたちが多い。
買い物帰りなのか、デパートの紙袋を持ったオバサンもいる。
しきりにスマホをいじる女子高生や男子高生もいる。
さすがに小さい子はいないなぁ・・・。