元殺し屋と、殺し屋









喧嘩で負けたことのなかった私だけど、ある日負けたんだ。

相手は、あんまり強くないんだけど、人数が多かった。

50人はいたんじゃないかな?

私は強いけど、人数では負けていた。

私に仲間なんていなかったから。




50人余りの男たちに殴られたり蹴られたりした私は、路地裏で静かに涙を流した。

アァ、私ってやっぱり弱いんだって。

強がっていただけなんだって。




そんな私を拾ってくれたのが氷さん。

氷さんは有名な殺し屋組織の幹部的存在の殺し屋。

裏の世界ではかなりの有名人らしい。




氷さんは泣いていた私を拾い、組織のビルへと連れて行ってくれた。

そして、私に尋ねた。




「強くなりたいか?」




私の答えは、勿論オッケー。

その日から、私は殺し屋になるための訓練を受けた。

氷さんは私の保護者的存在になってくれた。

中学の教師たちはやる気がないのか、私に学校へ来るよう言ってこなかった。




そして。

私は世界一の殺し屋・ダークになった。







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