元殺し屋と、殺し屋
タケシさんの持つ包丁の刃先は、カナコさんに向いている。
私も木の影から、姿を現す。
カナコさんもカナエさんも驚いている。
それが当たり前の反応だ。
だって私は、
武器である、小型のナイフを両手に持っているんだもの。
それなのに。
タケシさんは一切驚いていない。
どうして?
普通、刀と刃物を持った人が2人もいたら、驚くでしょう?
「・・・どけ、ロンリネス」
タケシさんは、今まで話していた雰囲気とは全く違う。
目も暗いし、口調も冷たい。
って、ロンリネス?
どうしてロンリネスだってわかったの?