元殺し屋と、殺し屋
カナエさんの血が、顔の所々に付着している。
イケメンな顔が台無しだ。
そしてその目は。
美しく、紫色の光を放つ。
少し潤んでいるのが、妙に色っぽい。
今にも泣きそうな、その表情。
思わず目を逸らしたくなる。
でも、駄目だ。
止めてあげないと。
私はその顔を、
思い切り殴った。
ボカッ!
ドサッ!
「ロンリネス、良い加減にしなさい。
任務は完了したの。
今私たちがするのは、死体屋に連絡し、速やかに帰ることよ」
死体屋。
死体はこのままここに置いておくが、もしかしたら私やロンリネスの髪の毛など、身分がわかってしまう証拠が置いてあるかもしれない。
それを処理するのが、死体屋だ。
別名、証拠処分屋。