元殺し屋と、殺し屋
皆って言うのには、間違いがあるかも。
だって笑っているのは、私・花菜・知紗・恭真だけ。
久保田くんは苦笑いだし、澪鵺はニコリともしない。
少しぐらい、笑えれば良いのに。
「おーい、皆聞けー」
担任がお喋りを続ける私たちを見て言った。
「電車が間もなく来る。
今のうちに、席を決めておけー」
私たちが乗るのは、今回特別に走る、修学旅行生用特別列車。
終点までノンストップで行くんだって。
席は、横に4人ずつ。
2人2人で別れているんだ。
「つまり、1つだけ男子と女子席になるわけね」
「どうしようか~誰にする?」
花菜と知紗が迷っているのを見て、私は「そうだっ」とポンッと音を鳴らす。
「トランプあるからさ、男子同士女子同士で最後に負けた人が、隣同士になるの?
どうかな?」
「おっ、良い案じゃないの紅羽」
「じゃ、早速始めようかっ」
ノリ気な花菜と知紗は、さっさとトランプを取り出し、配っていく。