いまさら、私たち。
でも実際私は根暗なブスだし、蓮くんに釣り合う女の子なんかじゃない。

それでも私と蓮がなんとか一ヶ月を突破できたのは、桃花がいてくれたから。

オシャレグループの女子にトイレ呼び出しくらったときも、桃花が全力で私を庇ってくれた。
下手すれば自分が仕返しされるかもしれないのに、恐れず私のために身体をはってくれたんだ。

桃花「政美は蓮くんと一緒に学級委員やってるしさ、一番距離が近い女子なのはたしかだよ。
でもだからって油断してると、蓮くんあっというまに他の子に盗られちゃうかもよ?」

政美「…それは……」
たしかに、そうかもしれないけど。

桃花「政美は可愛いんだから、がんばろ。ねっ?自信もって‼︎」

政美「…ももか…ありがとう…」
私を勇気づけるための、気を遣った言葉だとは分かっている。
それでも私は、すごく嬉しかった。



「ペチャパイで色気皆無のガリ勉メガネだけどな」

政美「……。」
桃花「……。」

この声の主は…

祐介「よっす2人とも‼︎」

橘祐介、私の、もう一人の幼馴染。

桃花「ちょっと祐介、政美だって色気あるよ‼︎ほらこの細くて長い首とかぁ‼︎」

政美「桃花、気持ちは嬉しいけどそのフォローは…キツいかな…」

桃花「もーっ、なんで政美はそんなにネガティブなのよぉ」

祐介の軽い言動や態度は幼い頃から全然変わらなくて、いつも私をイライラさせる。

いつもは猫かぶりの私も、祐介の前ではつい言葉遣いが荒くなってしまうんだ。

政美「てかさ祐介、あんたウザいんだよ‼︎勝手にうちら二人の話に割り込まないでよ‼︎」

祐介「あ、怒るとこそこ?あっはっは(笑)」

橘祐介(たちばなゆうすけ)、もう一人の幼馴染。幼稚園の頃からお隣さんどうしで、桃花はおむかいさん。
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