いまさら、私たち。
蓮「畑山先生も中田せんも、人を見た目で判断しすぎだよね。」

政美「ほんと。桃花はあんなに良い子なのに…自分の彼氏のことも本当に大事に思っ…」

そう言いかけた私は、昼休みのできごとを急に思い出してハッとした。

政美(なんで…彼氏とうまくいってないこと、相談してくれなかったんだろう…)

蓮「…ん?どした、桃花?」
急に黙り込む私に、不思議そうな蓮くん。

政美「んっ、ううんっ、なんでもっ‼︎」
慌てて誤魔化す私。

政美「あっでもねぇ、祐介は割りと、見た目通りの中身だから(笑)ただの遊び人だよあんなの。大嫌い。」

蓮「でもなんだかんだお互いをよく知ってるんでしょ?たしか幼なじみだっけ?」

政美「…まあうん、幼稚園の頃から…」

蓮「へえ‼︎家近いとか?」

政美「うん、祐介は隣、桃花はむかい。」

蓮「へえー、じゃあもう本当に、家族ぐるみのお付き合いみたいな?」

政美「まあねえ。でも、祐介とは昔から仲悪いよ。人間性が腐ってるもん、いくらモテるからって、あんなに女の子をとっかえひっかえ……」

蓮「政美、橘くんにいつも強い口調でつっかかってるもんね。」

政美「げっ‼︎知ってたの?」

蓮「そりゃあ…俺、一日中ずっと政美のこと気にしてるもん。席が遠くたって、気にしてる。」

その言葉に、思わずほてる私の顔。

蓮「あ、また赤くなっちゃって…可愛い。」

政美「かっ…可愛いなんて…無理して言わなくていいよ…」

蓮「無理?なにそれ。俺は、本当に可愛いと思ってるんだけど。」

政美「……っっ‼︎」
計算じゃなくて、天然で言ってるのが分かるから余計に恥ずかしい。

政美「も…もぉ…」

蓮「だからさ、俺、橘くんにヤキモチやいちゃうんだよな…」
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