いまさら、私たち。
政美「…へっ……やっヤキモチ?なんで???」

蓮「だってさあ、普段はおとなしい政美が橘くんの前だけでは素でしょ?
俺、素の政美もすごく可愛いなと思ったんだ。いきいきしてた。」

政美「いや、いきいきって…私はアイツのことが本当に嫌いだから、言い返すのが我慢できないまでで…」

蓮「そうだとしてもさ、羨ましいんだよ。俺の知らない政美を、橘くんはいっぱい知ってるだろ?」

政美「…。」
蓮くん、そんなことを思ってたの…?

政美「蓮くん、ゴメンね、気持ちに気付いてあげられなくて。でも祐介と私はただの腐れ縁だしさ…」

蓮「うん、分かってる…ゴメンな、変なこといって。」

政美「ううん……。」

蓮「…。」

政美「…あのさ、蓮くんは素の私を見てヤキモチをやいたの?男の人って、そういうもんなの?」

蓮「それだけじゃ、ないよ。橘くんのことは『祐介』って名前で呼び捨てなのに俺は『くん』づけだとか…」

政美「あっ…そっか‼︎」
私ってば、なんて無神経なことを…

蓮「それに橘くんもさ、普段女の子としゃべるときはあんな口調じゃないじゃん?政美と話してる時が素に近いように見える」

政美「それは単に、私のことを女子として見てないからで…」

蓮「…じゃあ聞くけどさ、政美は俺のこと、本当にオトコとして見てんのかな…?」

政美「えっ?」
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