橘恋歌
男の子は少し顔を赤らめて、ごろんと地面に寝転びました。
「一応、これでもね。家の者たちは皆“将来の国を担う者として、御精進なさりませ”って難しい本ばかり読ませるんだ。君とおんなじ」
「そうだったのね…どうして大人はあんなに勉強ばかりさせたがるのかしら。蹴鞠をする方が絶対に楽しいわ」
私も同じように寝転びました。
「そうだよね。君とは話が合って楽しい」
隣で寝転んでいる男の子にそう言われ、にこりと微笑まれたとき、何故だか私は顔が熱くなるのを感じました。