私は幸矢様のメイドです!
ー幸矢sideー
高校1年生の俺はその日、執事の橘(たちばな)が運転する車でパーティーに向かう途中だった。
憂鬱な雨が俺の心そのもので、窓越しに外を眺める。
俺は赤坂財閥の御曹司で、まだ高校生だって言うのにも関わらず、顔を見せるだけだからとパーティーにつれ回される。
行ったら行ったで女に囲まれる。
そんな事を思っていると、通りかかった公園の隅に少女の姿が目に映った。
俺は咄嗟に、
「橘っ、公園だ!」
「かしこまりました。」
橘は俺の何かを察したらしく慣れた手つきで車を引き返す。
俺は傘もささずに少女のもとに向かった。
その少女は泣きながら血に染まった自分の手を何度も何度も地面に擦り付けていた。
この時、幼い少女が背負ってしまった重い傷を知った。
ハンカチを取りだし少女の手を拭き俺がつけていた手袋をつけた。
「辛いなら今は見なくていい。でも、忘れるのはダメだ。いつか向き合う準備ができたときにその傷と闘え。」
俺の言葉を聞いた少女は俺にしがみつき声を上げて泣いた。
「俺のとこに来るか?」
少女は迷いなく静かにうなずいた。
これが出会い。
高校1年生の俺はその日、執事の橘(たちばな)が運転する車でパーティーに向かう途中だった。
憂鬱な雨が俺の心そのもので、窓越しに外を眺める。
俺は赤坂財閥の御曹司で、まだ高校生だって言うのにも関わらず、顔を見せるだけだからとパーティーにつれ回される。
行ったら行ったで女に囲まれる。
そんな事を思っていると、通りかかった公園の隅に少女の姿が目に映った。
俺は咄嗟に、
「橘っ、公園だ!」
「かしこまりました。」
橘は俺の何かを察したらしく慣れた手つきで車を引き返す。
俺は傘もささずに少女のもとに向かった。
その少女は泣きながら血に染まった自分の手を何度も何度も地面に擦り付けていた。
この時、幼い少女が背負ってしまった重い傷を知った。
ハンカチを取りだし少女の手を拭き俺がつけていた手袋をつけた。
「辛いなら今は見なくていい。でも、忘れるのはダメだ。いつか向き合う準備ができたときにその傷と闘え。」
俺の言葉を聞いた少女は俺にしがみつき声を上げて泣いた。
「俺のとこに来るか?」
少女は迷いなく静かにうなずいた。
これが出会い。