うっかり持ってきちゃいました 2
「私はリコがイイのだ!」
「えーこんなモテ期要らなーい」
「リコひどい。でも可愛い。なんかもう全部可愛い」
大丈夫か、この王子様。ヤンデレ属性持ってるぞ。この国大丈夫か。
涙目でじいっと見つめられて、ちょっとぐらっと来ちゃってる私に、王子様はなおも追撃。
「リコってどういう字を書くのだ?ちょっとここに名前を書いてみてくれないか」
「えーいいけどー」
「リコ、それ婚姻届だぞ」
フィル君が焦ったように後ろから覗き込んで言う。
なんだと!!危うく騙されるところだった!
異世界言葉はお師匠様の魔法で自動翻訳されるけど、文字は読めないんだ。
さすが王子、子供と言えど策が高度だわ……。
困った私はハッと隣のフィル君の腕を掴んで、思いっきりしがみついた。
「残念でした。私、フィル君のお嫁さんになるから!」
「「「えええええ」」」
何か今たくさん声がしなかったか。
必殺『恋人のフリ』攻撃に、王子様はよろめいた。ふらふらと食堂を出て行く。
「わ、わたしは諦めないからなあああ!」
「あっ、待って王子」
「え!?やはり私の魅力に気付いたかリコ」
「お勘定。王子様といえど食い逃げは許しません」
「……うわああああん!!」
王子様は泣きながら出て行った。
ああ、幼児虐待って通報されないことを祈る。
どうでもいいけど、王子様であるおこちゃまが独りで下町の食堂に来ていいのか。
と思ったら護衛っぽいお兄さんが軽く頭を下げて出て行った。なるほど、苦労してそうだ。
「えーこんなモテ期要らなーい」
「リコひどい。でも可愛い。なんかもう全部可愛い」
大丈夫か、この王子様。ヤンデレ属性持ってるぞ。この国大丈夫か。
涙目でじいっと見つめられて、ちょっとぐらっと来ちゃってる私に、王子様はなおも追撃。
「リコってどういう字を書くのだ?ちょっとここに名前を書いてみてくれないか」
「えーいいけどー」
「リコ、それ婚姻届だぞ」
フィル君が焦ったように後ろから覗き込んで言う。
なんだと!!危うく騙されるところだった!
異世界言葉はお師匠様の魔法で自動翻訳されるけど、文字は読めないんだ。
さすが王子、子供と言えど策が高度だわ……。
困った私はハッと隣のフィル君の腕を掴んで、思いっきりしがみついた。
「残念でした。私、フィル君のお嫁さんになるから!」
「「「えええええ」」」
何か今たくさん声がしなかったか。
必殺『恋人のフリ』攻撃に、王子様はよろめいた。ふらふらと食堂を出て行く。
「わ、わたしは諦めないからなあああ!」
「あっ、待って王子」
「え!?やはり私の魅力に気付いたかリコ」
「お勘定。王子様といえど食い逃げは許しません」
「……うわああああん!!」
王子様は泣きながら出て行った。
ああ、幼児虐待って通報されないことを祈る。
どうでもいいけど、王子様であるおこちゃまが独りで下町の食堂に来ていいのか。
と思ったら護衛っぽいお兄さんが軽く頭を下げて出て行った。なるほど、苦労してそうだ。