ずっと[短編]
「あいつはそんなやつじゃないと思うよ」

 拓が喉から絞り出すようにそう告げた。


 あたしもそう思っていた。


 彼女はそんな子ではないと互いに思おうとしていたのだろう。


 果たしてそう考えたのは


 彼女のため?


 それとも自分たちのため?


 自問自答しても答えなど出てこない。
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