ずっと[短編]
 「ねえ、飲み物入れてよ」

 綾は明るい声であたしを呼ぶ。

「たあくんが飲みたいんだって」

 あたしが綾を見ると、あの子は頬を膨らませる。

「早く」

「何が飲みたいの?」

 あたしは綾に尋ねる。

「コーヒー」

 浮かない顔で拓が答えた。
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