ずっと[短編]
 たまに綾が姿を消す。どこかに出かけたのかと安堵し、あたしはソファに腰を下ろす。

 やっと解放された。

 そんな気持ちで満たされる。

「はるか」

 拓があたしの隣に座ってきた。そして、拓があたしの頬に手を触れた。

 あたしは目を閉じた。彼の唇があたしの唇に押し当てられる。

 こうしてキスをしたのも一週間ぶりだった。

 彼の体があたしの体の上にのしかかってきた。

「綾がいるかも」

「大丈夫だよ」

 彼の唇があたしの首筋に触れたときだった。
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