(仮)恋の幻想曲
「うん。よく分からないけど行こうか」
「きゃゃあああ!」
「いた、暦様よ」
後ろから聞こえた黄色い歓声。それは全部暦に向けられてる。
そしてドタドタドタと聞こえるだけでも10人以上の足音が近付いてきて私達は囲まれてしまった。
「あわわわ!何これっ」
「ちょっ、離れろよ」
「おっ?……うわっ、きゃっ」
女子の底力に私はいつの間にか外野に。
一方で暦は女子に揉まれていた。
(…このままじゃ暦が……死んじゃう!)
←←大袈裟
「こらっ、退きなさい~~~きゃっ」
どうにか女子の群れに突っ込んでも押し返されてしまう。
どうすれば……
「そこまでにしなさいなっ」
暦を揉む女子達の声よりも大きく、響く声がして全員が声の方向に顔を向ける。
立っていたのは常盤高校の制服を着たツインテールの女子とその後ろに二人の女子もいた。
「ルカ様っ!」
「さぁ、ルカ様がお通りになります。道を開けなさい」
ルカって呼ばれた女子の後ろに立つ二人の中の眼鏡美人がそう言うと暦を揉む女子達が左右にきっちりと整列した。
あれだ、ルカって女子は危ない子だ。