裏腹な彼との恋愛設計図
翔吾くんの言う通り、会えばいつも押し倒してくる彼を私が拒み続けていたのも原因の一つで、二十五歳の時、付き合って三ヶ月で別れた。

そもそも、友達同士の飲み会で再会したのがきっかけで、“ちょっと付き合ってみよっか?”みたいな軽いノリの始まり方だったし、ちゃんと恋人と言えるのかも微妙だけれど。


翔吾くんは私の他に身体だけの関係の人がいて、それを知った時もさほどショックではなかった。

むしろ“あーやっぱりね”と納得してしまったくらい。

私の恋愛感情も希薄だったってことだ。


それでも一応付き合ってみようかと思ったのは、彼といるのが妙に心地良かったから。

私の想いや考えを常に尊重して、理解してくれて(ただしエッチ以外)。

三好くんの話をした時も、決して私の恋心を否定することはなかった。


男女の関係となると、とんでもなくダメな男だけど、友達としてならいい関係を築ける相手だと思う。

久々に会ったけど、こうやって何の違和感もなく話せるしね。


お互いの近況を話しながら、私は翔吾くんを二階の打ち合わせスペースへと案内した。

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