裏腹な彼との恋愛設計図

一階へ戻ると、玄関でのやりとりが少し聞こえたらしく、絵梨子さんに「知り合い?」と聞かれた。

ただの同級生だと言っておいたけれど、もしこれから翔吾くんがこのミライトホームに建て替えをお願いすることになったら、皆と関わるうちにいつかバラされそうな気がする……。



そういえば先日、絵梨子さんと古賀さんに飲みに連れていかれて、矢城くんとの一連の件は白状した。

二人とも驚いていたけど、『紗羽ちゃんにその気がないなら仕方ない』と言って笑ってたっけ……改めてごめん、矢城くん。

まだ柊さんを好きだということは明かしていないけれど、それもいつまで隠しておけるだろうか……。



好きな人と元カレが話しているという、なんだかそわそわしてしまう状況の中、そんなことを考えていると。

四十分ほど経った頃、話し合いはひとまず終わったらしく、二人が階段を下りてきた。


翔吾くんのことだから、オフィスを覗いて私を呼んだりするかも……。

そうなる前に一応挨拶しておくか。

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