裏腹な彼との恋愛設計図
オフィスを出ると、二人に頭を下げて「お疲れ様でした」と挨拶した。

翔吾くんは満足げな笑みを浮かべている。


「費用も他の所よりかからなそうだし、ここにするかも」

「ほんと!?」

「それに、また紗羽にも会えるし」


いやいやいや……甘い微笑とともにそんなこと言われても。

柊さんにまたあらぬ誤解をされても困るし!

口元を引きつらせていると、翔吾くんは靴を履きながら思い出したように「あ」と声を漏らす。


「朝海は元気?」


そう、翔吾くんは朝海とも友達なのだ。

……というか、実は二人、以前はセフレだったらしい。

今ではその関係はさっぱり解消しているけれど、私が彼と付き合った後にそのことを知って、当時は驚愕したっけ。


「うん。相変わらずだよ」

「そ。今度久々に三人で飲みに行こうぜ」

「あぁ、いいね。朝海にも言っとく」


友達らしいゆるい会話を交わし、「また連絡するわ」と言って、翔吾くんは帰っていった。

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