裏腹な彼との恋愛設計図
朝海はいとこの彼と付き合う前、寂しさを紛らすために翔吾くんと関係を持ってしまったらしい。

彼女曰く、“翔吾とのセフレ期間は消したい過去”だそうだ。

セフレという存在がいるってどういうものなのか、お子ちゃまの私にはわからないけれど。


「どうして紗羽みたいなピュアガールが翔吾と付き合ってたのか、いまだに理解不能だわ」


ゆっくり首を横に振る朝海に、「俺も同感」と言って張本人がへらりと笑った。

翔吾くん自身、最低男だという自覚はあるのね。

ていうか私、そんなピュアガールではないと思うんだけどな……だって。


「私、翔吾くんのこと本気で好きだったわけじゃないんだよ」

「あ、何気に傷付くわそれ」

「今さらだけど、何で付き合ってたんだっけ?」


ちょっぴり頭を垂れる翔吾くんと、目の前でカットされた生ハムを一枚口に入れて尋ねる朝海。

私は頬杖をついて、視線を宙にさ迷わせる。


「色んなタイプの人と付き合ってみたかったんだよね。それに翔吾くん、根はいい人だなって思ってたから」

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