裏腹な彼との恋愛設計図
いつの間にか瀬川さんはオフィスの中に入っていて、誰もいないのをいいことに、私は花を愛でる柊さんの姿をじっと観察する。
「そんなに好きか、花が」
「あ、はい! 私、将来マイホームを持つなら絶対花を植えようと思うんです。小さくてもいいからそういうスペースを取って……」
「誰もお前の将来設計までは聞いてない」
──バッサリ。
ぽわんと頭の中に浮かべた、花に囲まれるマイホームの絵を一刀両断された。
興味ないですよね、そうですよね……。
さっさと玄関の中へ歩いていく柊さんを見送りつつ、がっくりとうなだれたまま私もジョウロを片付けて後に続いた。
七人全員が揃うと、社長が朝礼を始める。
朝礼と言ってもまったく堅苦しいものではなく、一日の連絡事項を伝え合うだけ。
「鈴森さん、ニュースレター確認したよ。初めてにしてはなかなかいい出来じゃないか」
「本当ですか!? よかった~」
メタルフレームの眼鏡を掛けたダンディーなオジサマ社長の笑顔に、私はほっと胸を撫で下ろした。
社長は基本穏和な性格だけれど、自分にも他人にも厳しい一面も持ち合わせている人。
そんな社長に認められるのは、やっぱり嬉しい。
「そんなに好きか、花が」
「あ、はい! 私、将来マイホームを持つなら絶対花を植えようと思うんです。小さくてもいいからそういうスペースを取って……」
「誰もお前の将来設計までは聞いてない」
──バッサリ。
ぽわんと頭の中に浮かべた、花に囲まれるマイホームの絵を一刀両断された。
興味ないですよね、そうですよね……。
さっさと玄関の中へ歩いていく柊さんを見送りつつ、がっくりとうなだれたまま私もジョウロを片付けて後に続いた。
七人全員が揃うと、社長が朝礼を始める。
朝礼と言ってもまったく堅苦しいものではなく、一日の連絡事項を伝え合うだけ。
「鈴森さん、ニュースレター確認したよ。初めてにしてはなかなかいい出来じゃないか」
「本当ですか!? よかった~」
メタルフレームの眼鏡を掛けたダンディーなオジサマ社長の笑顔に、私はほっと胸を撫で下ろした。
社長は基本穏和な性格だけれど、自分にも他人にも厳しい一面も持ち合わせている人。
そんな社長に認められるのは、やっぱり嬉しい。