裏腹な彼との恋愛設計図
「どうしたの? 珍しくぼーっとしちゃって」

「いえ、何でも。すみません、窓がどうしたんですっけ?」


今日は休みで鈴森の姿がない斜め前の席を気にしつつ、絵梨子さんから用件を聞いた。

次回の打ち合わせでお客さんに伝える内容をメモしていると、じーっと俺を見つめる猫のような絵梨子さんの瞳に気付く。


「どうしました?」

「最近隼人くんも様子がおかしいわよねぇ……。これはますます面白くなってきそうな予感」

「……何がですか」

「うふふ。ごめんね、こっちの話」


口元に手をあてて笑い、小首をかしげる彼女。

なんとなく何を考えているか想像がつく気がするが……。


絵梨子さんや古賀さんは、人の浮ついた話やちょっとした変化には、超がつくほど敏感だからな。

俺の気持ちにも薄々感づいているのかもしれない。

当然、シラを切り通すつもりでいるが。


昼休みになり、それぞれ弁当を取り出したりオフィスを出ていく中、背伸びをした絵梨子さんが俺にこんなことを言う。

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