裏腹な彼との恋愛設計図
シャビーな過去とシックな彼女
岩坂杏奈は専門が一緒で、お互いプランナーとアドバイザーとなって再会してから、いつの間にか恋人のような関係になっていた。
女なんて面倒だから、と誰に告白されても相手にしなかった俺に、杏奈だけはずっと付きまとっていた。
『隼人が好きじゃなくてもいい。あたしが好きだからそれでいいの』
口癖のようにそんなことを言っていた彼女。
そのうち振り続けるのすらも面倒になって、勝手にしてくれと思うようになった。
そうすると、いつの間にか隣に彼女がいることが当たり前になっていて、別段気にならなくなっている自分に気付く。
いいことがあった時も、嫌なことがあった時も。
話せば軽く笑い飛ばしてくれる、サバサバしたあいつといるのは心地良かったのだ。
俺から好きだと言った覚えはない。
だが自然に二人で会うようになって、唇を重ね、身体を重ねた。
恋人と何ら変わらない関係を、気が付けばニ年もの間続けていたのだった。