裏腹な彼との恋愛設計図
ミーティングルームにてライバル宣言
──『君と同い年で、なかなかの美人らしいぞ』
柊さんに言った社長の一言。
二人が何の話をしていたのかよくわからないけれど、そのあたりだけ聞こえてしまって、ずっと頭から離れない。
どうやらその人が営業のために本社に来るらしいけれど……。
あの時の柊さん、ほんの少し様子が違った気がする。
もしかして、その女性のことを知っているんじゃないだろうか。
そう考えると自然に思い浮かんでしまうのは、あの日カフェで見た女性──柊さんの、元カノ。
まさか、そんなことはないと思うけれど。
しかし翌日の朝礼で、もっと気にしなければいけないことを社長から伝えられた。
「……というわけで、柊くんには新科店のヘルプに行ってもらうことになった」
「「えぇ!?」」
柊さん以外の皆が、目を丸くして驚きと戸惑いの声を上げた。
そんな……毎日柊さんの姿を見るだけでも幸せだったのに、離れちゃうなんて……!
社長の話によると、柊さんの頑張り次第にもよるけれど、ニ、三ヶ月は行くことになるらしい。
柊さんの代わりには、社長の知り合いのプランナーさんが来てくれるそうだ。
異動じゃないからまだいいけど、それでもやっぱり寂しい……。