裏腹な彼との恋愛設計図
シャンデリアが照らす真実
──星空の下でキスを交わした夜。
あれから柊さんは、私からそっと唇と手を離すと、『帰ろう』と静かに言い、花火の燃えかすを片付けた。
一緒に駅に向かって歩いている間も、私は放心状態で何も話すことが出来なくて。
前を歩く彼の背中を、ただぼんやりと眺めながらついていくだけだった。
柊さんの家は私とは別方向らしく、改札で別れた。
その時も、休み明け職場で会っても、キスのことには何も触れてこない。
無愛想なのも、少ない口数もいつも通りではあるけれど。
やっぱりあれは酔っていたせいで、なかったことにしたいのかな……
そう思うと、胸が縄で縛られたように苦しくて、痛い。
彼の本心を確かめたいけれど、また突き放されてしまったらという恐さが勝ってしまい、何の行動も起こせずにいた。
柊さんがヘルプに行ってしまうのは、来週の木曜からの予定。
それまでには、なんとかこの恐怖心に打ち勝って、あの日感じた疑問を解消したい。
そのために喝を入れてもらおうと、土曜日の同窓会で会った朝海に、私はすべてを話した。