裏腹な彼との恋愛設計図
カップルシートで遅い告白
柊さんの後についてやって来たのは、ビルの五階に入っている隠れ家的なレストラン。
アンティーク調のガラスペンダントの照明が、薄暗くて落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「いらっしゃい。久しぶりだな、隼人」
「あぁ。元気か?」
「まーぼちぼち。席取ってあるからどうぞ」
出迎えてくれた男性店員さんと、柔らかな笑みを浮かべて話す柊さん。
もしかして、さっき電話してたのってこの人?
案内してくれる店員さんをちらちらと観察していると、彼がこちらを向いてにこりと微笑む。
「隼人が女連れて来るなんてかなりレアだな。彼女?」
「いや。ただの鈍感どアホなドM女だ」
「ちょ、柊さん!」
「名付けてスリーD女か。おもしろ」
なにその変なネーミング!?
人を小馬鹿にしたような笑みを口元に浮かべるこの男性店員も、柊さんと似たような雰囲気を感じる……。
失礼な二人に頬を引きつらせながら、入口付近のバーカウンターを通り過ぎて奥へ進む。
そこには横にスライドさせるドアがついた個室があり、夜景を眺められる窓に面したL字のソファー席が設置されていた。
これは……もしやカップルシートというやつ?