裏腹な彼との恋愛設計図
「……ものすっごい暗くて地味な人でしたよ」
「え?」
「やぼったい黒髪に黒縁メガネ掛けて、ずっと一人で机に向かってる超ネクラっぽい人でした。……ぱっと見は」
そう、“ネルシャツにリュックが似合いそうなオタクっぽい人”っていうのが第一印象だった。
たぶん同じクラスの皆は、最初から最後までその印象が変わらない人がほとんどだったんじゃないかな。
私の答えが予想外だったのか、皆はぽかんとしたまま。
「へ、へぇ~、その彼が忘れられない人なの……意外ね」
「だな」
絵梨子さんの言葉に頷く古賀さんだけど、私も自分でもそう思う。
「私も好きになるとは思いませんでしたよ。でも気が付いたら、そんな外見とか友達がいないこととか、気にならないくらい惹かれてたんですよね……」
いつも俯きがちで、あまり表情が見えないことが多かったけれど、たまに垣間見える眼鏡の奥の瞳がとても綺麗で。
机から私へと目線を上げた時の、あの妙に色っぽい上目遣いとか
骨張った男らしい手で眼鏡を押し上げる仕草とか。
地味な外見でカモフラージュされていたけど、彼は絶対にイイオトコだったと思う。
それだけじゃなくて、人と関わろうとしないタイプに見えて、実は優しい心を持っていた。
そんな彼──三好(ミヨシ)くんのギャップに、きっと私はすんなりとハマってしまっていたのだろう。
「え?」
「やぼったい黒髪に黒縁メガネ掛けて、ずっと一人で机に向かってる超ネクラっぽい人でした。……ぱっと見は」
そう、“ネルシャツにリュックが似合いそうなオタクっぽい人”っていうのが第一印象だった。
たぶん同じクラスの皆は、最初から最後までその印象が変わらない人がほとんどだったんじゃないかな。
私の答えが予想外だったのか、皆はぽかんとしたまま。
「へ、へぇ~、その彼が忘れられない人なの……意外ね」
「だな」
絵梨子さんの言葉に頷く古賀さんだけど、私も自分でもそう思う。
「私も好きになるとは思いませんでしたよ。でも気が付いたら、そんな外見とか友達がいないこととか、気にならないくらい惹かれてたんですよね……」
いつも俯きがちで、あまり表情が見えないことが多かったけれど、たまに垣間見える眼鏡の奥の瞳がとても綺麗で。
机から私へと目線を上げた時の、あの妙に色っぽい上目遣いとか
骨張った男らしい手で眼鏡を押し上げる仕草とか。
地味な外見でカモフラージュされていたけど、彼は絶対にイイオトコだったと思う。
それだけじゃなくて、人と関わろうとしないタイプに見えて、実は優しい心を持っていた。
そんな彼──三好(ミヨシ)くんのギャップに、きっと私はすんなりとハマってしまっていたのだろう。