裏腹な彼との恋愛設計図
「彼女置いて帰んの? 本物の放置プレイじゃん」
「そうなるな」
「あ、でもドMちゃんならそういうのもアリかー。俺もイジメんの好きだし」
本当の同級生である笹賀は、俺が事故に遭った時も心底心配してくれて、彼だけは唯一信じられる男だった。
一度も、どんな小さなことでも俺を裏切ったことはない。
だが、楽しそうに笑うこいつにわずかな不安を感じた俺は、一応忠告しておくことに。
「お前は信頼してるから任せるけど……万が一、少しでもあいつに変なマネしたら」
「……変なマネしたら?」
「市中引き回しの上さらし首にする」
ヒクッと口元を引きつらせる奴に、冷ややかな笑みを浮かべながら、「ごちそうさま」と言って店を後にした。
酒を飲んでしまっていることを電話で話すと、母さんが車を出すと言ってくれた。
待ち合わせた駅のバス停辺りで、そわそわしながら彼女を待つ。
もう八年ほど会っていないのだ、さすがに緊張する……というより、気まずい。
十分ほど待つと、見慣れない白の軽自動車が俺の近くまで来て停まった。
そして勢い良く運転席から降り、こちらに駆け寄ってくるのは、やはり年を取ったと感じる母親。
「隼人!!」
それでも、涙を浮かべる瞳は優しくて綺麗で、俺の存在を確かめるように腕を掴む手は温かかった。
「そうなるな」
「あ、でもドMちゃんならそういうのもアリかー。俺もイジメんの好きだし」
本当の同級生である笹賀は、俺が事故に遭った時も心底心配してくれて、彼だけは唯一信じられる男だった。
一度も、どんな小さなことでも俺を裏切ったことはない。
だが、楽しそうに笑うこいつにわずかな不安を感じた俺は、一応忠告しておくことに。
「お前は信頼してるから任せるけど……万が一、少しでもあいつに変なマネしたら」
「……変なマネしたら?」
「市中引き回しの上さらし首にする」
ヒクッと口元を引きつらせる奴に、冷ややかな笑みを浮かべながら、「ごちそうさま」と言って店を後にした。
酒を飲んでしまっていることを電話で話すと、母さんが車を出すと言ってくれた。
待ち合わせた駅のバス停辺りで、そわそわしながら彼女を待つ。
もう八年ほど会っていないのだ、さすがに緊張する……というより、気まずい。
十分ほど待つと、見慣れない白の軽自動車が俺の近くまで来て停まった。
そして勢い良く運転席から降り、こちらに駆け寄ってくるのは、やはり年を取ったと感じる母親。
「隼人!!」
それでも、涙を浮かべる瞳は優しくて綺麗で、俺の存在を確かめるように腕を掴む手は温かかった。