裏腹な彼との恋愛設計図
母さんは所持品検査でもするかのようにぺたぺたと俺の身体を触る。
「触れる……本物の隼人だわ!」
「人を幽霊みたいに言うなって」
「あぁそうね、ごめんなさい。……会ってくれて、ありがとうね」
まだ瞳を潤ませて、俺の手を両手で握る母さん。
怒ったり、恨みつらみを言ったりしても構わないのに、まったくそんなことは思っていないんだな……。
「……ごめん、母さん」
勝手に家を出て、連絡も無視していたことを謝るには、あまりに素っ気なさすぎる謝罪。
だが、彼女は涙を溢れさせながら、笑って首を振るのだった。
ひとまず車に乗り込むと、母さんは慣れた運転さばきで賑やかな夜の駅前を後にする。
落ち着いたところで、色々な質問をすることにした。
「で、何の手術なわけ?」
「それが、本当に突然だからお父さんも動揺してたみたいで、何言ってるのかよくわからなかったのよ。
『腹切って中見てみなきゃわからないらしいけど、もしかしたら危ない状態かもしれない』みたいなこと言ってて。『家族に連絡してって言われたから、とにかく来てくれるか』って」
「なんだそりゃ……」
「触れる……本物の隼人だわ!」
「人を幽霊みたいに言うなって」
「あぁそうね、ごめんなさい。……会ってくれて、ありがとうね」
まだ瞳を潤ませて、俺の手を両手で握る母さん。
怒ったり、恨みつらみを言ったりしても構わないのに、まったくそんなことは思っていないんだな……。
「……ごめん、母さん」
勝手に家を出て、連絡も無視していたことを謝るには、あまりに素っ気なさすぎる謝罪。
だが、彼女は涙を溢れさせながら、笑って首を振るのだった。
ひとまず車に乗り込むと、母さんは慣れた運転さばきで賑やかな夜の駅前を後にする。
落ち着いたところで、色々な質問をすることにした。
「で、何の手術なわけ?」
「それが、本当に突然だからお父さんも動揺してたみたいで、何言ってるのかよくわからなかったのよ。
『腹切って中見てみなきゃわからないらしいけど、もしかしたら危ない状態かもしれない』みたいなこと言ってて。『家族に連絡してって言われたから、とにかく来てくれるか』って」
「なんだそりゃ……」