裏腹な彼との恋愛設計図
気が動転してたのか?

まぁ俺が知っている限りでは、病気なんて一つもしたことがない健康体だったから、無理ないのかもしれないが。


「わからないから私も余計心配で、焦ってとにかく隼人に連絡しようと思ったの。出てくれるわけないのにって、ほぼ諦めながらね」


苦笑しつつ言う母さんだけど、鈴森と一緒にいなかったら俺は絶対出ていなかった。

本当に、あいつには感謝だな。


「……病院に着いたらきっと説明があるだろ。自分で掛けてくるくらいだから、そこまで危ないってわけじゃないと思うよ」

「そうね」


車は市街地を抜け、高速へと向かう。

父親がいるのはミライトホームの新科店がある地域の方だ。


「でも、何で母さんに連絡が来たんだよ。もっと近くに誰かいねぇの?」

「それがね……お父さん、今までずっと一人だったのよ。私と離婚してからも、誰とも一緒にならなくてね」


それを聞いて、一つの疑問が沸き上がる。


「職場に、三好って人が来たって話聞いたけど? あれは父さんが誰かとの家を建てるために来たわけじゃないのか?」

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