裏腹な彼との恋愛設計図
夕陽色のカーテンに隠された十年の想い
隼人さんがいない会社は張り合いがない。
不純だけれど、やっぱり彼に会えるということが仕事のやる気にも繋がっていたのだと、改めて思う。
隼人さんがヘルプに出て、明日で一週間が経とうとしている。
土曜日の休憩時間、ラインが来ていたことに気付いた私は、コンビニに向かいながら休みだろう朝海に電話を掛けた。
最近はお弁当も作る気力がないし、今日はお店も混んでるから、コンビニ飯で手を打つことにしたのだ。
『どう、その後は?』
「どうもこうもないよー。隼人さんは忙しいだろうから、本社にも顔出さないしさ」
同窓会の翌日、抜け出してしまったことを朝海に謝り、三好くんと柊さんが同一人物だったことも過去にあったことも教えてあった。
朝海もとっても驚いていて、『ずっと気付かなかったなんて、ほんとバカで鈍感すぎ』と散々けなされたよ……。
『まぁでもちゃんと告白したんだし、後は向こうからの返答を待つしかないわよね』
「うん……でも怖いよ。高校時代の一件で、私とっくに嫌われてるかもしれないし……」
顔も見れず、声も聞けない日々が続くと、少しだけあった期待もゼロどころかマイナスになっている。
時間が経つにつれ悪い想像ばかりしてしまい、こちらから連絡を取ることが出来ないわけでもないけれど、そうする勇気が出ないのだ。