裏腹な彼との恋愛設計図
ベッドルームで繋がって
隼人さんの車の助手席に初めて乗せてもらった私は、快適なドライブを少しだけ楽しみ、これまた初めての彼のアパートに到着。
黒を基調とした、モダンで男性らしい部屋に緊張しながら上がると、ブラックレザーのソファーに二人で並んで腰掛けた。
そして、隼人さんがあの日急に帰ってしまった理由──お父さんの病気のことと、彼の両親が復縁するということを教えてくれた。
「父親は昨日やっと退院出来たよ。しばらくは俺も近くにいるから色々と手伝えるし。ゆくゆくは向こうに家を建てるつもりらしい」
「そっかぁ、よかった……。よかったですね、本当に」
帰る場所も、彼を待っていてくれる人もいる。
もう、隼人さんが孤独を感じることはなくなるんだ。
目一杯、安堵感に満たされた笑顔を浮かべると、彼は私の腰に腕を回してそっと引き寄せた。
「お前のお節介のおかげだよ。今まで何度もそれに救われた」
髪にキスを落としつつ言われた言葉に、じんわりと胸が温かくなる。
「こんな私でも、役に立てたんですね……」
それが、こんなにも嬉しい。
目線を上げると、愛おしそうに目を細めた隼人さんの顔が近付いて、唇が重ねられた。