裏腹な彼との恋愛設計図
マイ・スウィート×××
それから、約一年と三ヶ月後の十二月初旬。
打ち合わせスペースには今年もツリーが飾られ、ミライトホームもクリスマス仕様になった。
あの頃の隼人さんのヘルプは二ヶ月足らずで終わり、それからは本社で変わらずにプランナーを続けている。
彼のご両親が主に住む新しい家も、この秋に完成した。
隼人さんは変わらずアパート暮らしをしているけれど、時々新居に帰って一家団欒を楽しんでいるようだ。
今日はお客様との打ち合わせが長引いて、現在午後七時になろうかというところ。
二人で帰れるかな、とわくわくしながらテーブルの上を片付け、一階に下りた。
オフィスには、帰り支度を整えている古賀さんしかいない。
おや?と思いながら狭い給湯室に入った、私の目に飛び込んできたものは。
シンクの前で、隼人さんに密着して手を伸ばし、彼の髪に触れる絵梨子さんの姿。
──ガシャッ!と、私がトレーやコップを落としそうになった音に反応して、こちらを向く二人。
目と口を開いて唖然とする私を見て、二人もキョトンとした。
「あら紗羽ちゃん、お疲れ様。……もしかしてとんでもない誤解した?」
隼人さんから離れてこちらに来た絵梨子さんは、何かを摘んだ指を私に見せてくる。