裏腹な彼との恋愛設計図
「ごごごめんなさい！」

「眺めてる暇があったら早く帰る準備しろ。合格祝いするぞ」

「はいぃ今すぐ！　…………って、え？　合格……祝い！？」


またまた目を見開く私は、今日が二級建築士の試験の合格発表日だということを思い出す。

試験を受けたのはまだ暑い時期だったから、つい忘れてしまっていた！

目の前の彼の口角が得意げに上がる。


「受かった」

「ほ……本当に！？　やったぁぁ～！！」


思わず彼の首に腕を回して飛び付いた。

彼も笑いながら私をしっかりと抱きしめる。

すごい、すごい……！！　一発で合格を決めるなんて、さすが隼人さん！


これまで仕事の合間にたくさん勉強してきた、その努力が実って本当によかった。

涙が出るくらい喜ぶ私に、隼人さんも嬉しそうな笑顔を見せてくれた。


さっき絵梨子さんが言っていた、確認したいことというのは合否のことだったらしい。

絵梨子さんも隼人さんに試験のことで色々とアドバイスしてくれていたから。

打ち合わせが終わってすぐ、給湯室にいた彼女に呼ばれて、ファイルを持ったままここへ来たというわけだ。

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