裏腹な彼との恋愛設計図
『将来マイホームを持つなら絶対花を植えようと思うんです。小さくてもいいからそういうスペースを取って……』

『ダイニングを見渡せるカウンターキッチン、やっぱりいいなぁ』

『私は吹き抜けのリビングとか憧れるけど』


花に水をあげていた時や、建築中の家を見に行った時、そしてベッドの中で……

過去に自分が何気なく言ったことを思い出し、胸が早鐘を打ち始める。


「隼人さん……私が言ったこと、覚えててくれたの……!?」

「さぁ、何のこと?」

「だって、これ……!」


私と、隼人さんの理想を取り入れた家の設計図でしょう?と確認したいのに、胸が一杯で声にならない。

二人の家を設計するということは、つまり──。


とぼけたような言葉とは裏腹に、優しく微笑む彼はそれを肯定しているよう。

震える手を口にあてる私に向き直った隼人さんは、魅惑の笑みを携えてこう紡ぐ。


「その意味、ちゃんと知りたかったらここに来い」


泣きそうになりながらも、嬉しさを隠せず口元が緩む。

彼は、私を抱いている時だけ素直になれると言った。

もしかしたら今、とびきり幸せにしてくれる愛のフレーズを聞けるかもしれない。


──そんな期待を抱き、私は満面の笑みを咲かせてその胸に飛び込んだ。





   *・:..。End。..:・*


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