裏腹な彼との恋愛設計図
「あの、大丈夫ですよ! 私一人でやってもたぶんそんなに時間掛からないだろうし」
「残業代と電気代の無駄だ」
「あ、あぁそっか……」
手伝ってくれるのは私のためじゃなくて会社のため、ね。
でも、この会社はそこまで節約に厳しくないし、本当に理由はそれなのかな……?
これはレアな優しい柊さんの一面かもしれないと、ほんのり淡い期待を抱いて彼を見つめていると。
目線を上げた彼の瞳とかち合う。
「手を動かせ、のろま」
「のろっ……!」
久々に聞いたわ、その単語!
思わず言い返したくなる気持ちは冷たい目をする彼によって抑えられ、私はすごすごと作業を再開させた。
しばらく無言でせっせと封をする私達。
なんか高校時代を思い出すな……。
日直の仕事で残ってたら、ついでにって先生に書類をホチキスで留める作業を頼まれちゃって。
教室で一人やってたら、たまたま忘れ物を取りに来た三好くんが、無言で手伝ってくれたんだ。
静かな教室に二人きり。
プリントを取る彼の綺麗な指と、ほんの少し私の手が触れ合っただけでドキドキした。
懐かしい……あんな些細な出来事、私しか覚えてないんだろうな。
「残業代と電気代の無駄だ」
「あ、あぁそっか……」
手伝ってくれるのは私のためじゃなくて会社のため、ね。
でも、この会社はそこまで節約に厳しくないし、本当に理由はそれなのかな……?
これはレアな優しい柊さんの一面かもしれないと、ほんのり淡い期待を抱いて彼を見つめていると。
目線を上げた彼の瞳とかち合う。
「手を動かせ、のろま」
「のろっ……!」
久々に聞いたわ、その単語!
思わず言い返したくなる気持ちは冷たい目をする彼によって抑えられ、私はすごすごと作業を再開させた。
しばらく無言でせっせと封をする私達。
なんか高校時代を思い出すな……。
日直の仕事で残ってたら、ついでにって先生に書類をホチキスで留める作業を頼まれちゃって。
教室で一人やってたら、たまたま忘れ物を取りに来た三好くんが、無言で手伝ってくれたんだ。
静かな教室に二人きり。
プリントを取る彼の綺麗な指と、ほんの少し私の手が触れ合っただけでドキドキした。
懐かしい……あんな些細な出来事、私しか覚えてないんだろうな。