裏腹な彼との恋愛設計図
私からようやく離れた柊さんは、不機嫌さを露わにしたまま数歩歩いて自分のデスクへ向かう。
「こんな不純な記事で客を集めようとするな。もっと住宅関係の記事で埋めろよ」
「でも、主婦や女の人はこういうの好きだと思うけどな……」
まだ諦めきれず、写真の中で微笑む美男子を眺めている私に、実物の彼はスーツの上着を羽織りながら呆れたため息を吐く。
「どうしてもやりたいなら現場監督の古賀(コガ)さんにすればいいだろ。あの人の方が俺なんかよりよっぽど愛想がいい」
「まぁ、古賀さんもカッコいいし素敵なんですけど……」
やっぱり私の中で断トツなのは、私の一つ年上の二十九歳、新築プランナーであるこの柊さんなのだ。
この住宅会社“ミライトホーム”には、新しく家を建てたいと考えているお客様が家族連れでやってくることが多い。
彼らにとって、一番親身になって相談に乗ってくれるアドバイザーが柊さん。
わかりやすく丁寧な説明で、お客さんの質問に答えたり要望を聞き入れる彼の信頼度、満足感はかなり高い。
その上こんなにイケメンなのだ、女性に人気があるのは至極当然。
ただ、皆さんは知らない。
彼の極上スマイルと愛想は、すべて営業用だということを。
「こんな不純な記事で客を集めようとするな。もっと住宅関係の記事で埋めろよ」
「でも、主婦や女の人はこういうの好きだと思うけどな……」
まだ諦めきれず、写真の中で微笑む美男子を眺めている私に、実物の彼はスーツの上着を羽織りながら呆れたため息を吐く。
「どうしてもやりたいなら現場監督の古賀(コガ)さんにすればいいだろ。あの人の方が俺なんかよりよっぽど愛想がいい」
「まぁ、古賀さんもカッコいいし素敵なんですけど……」
やっぱり私の中で断トツなのは、私の一つ年上の二十九歳、新築プランナーであるこの柊さんなのだ。
この住宅会社“ミライトホーム”には、新しく家を建てたいと考えているお客様が家族連れでやってくることが多い。
彼らにとって、一番親身になって相談に乗ってくれるアドバイザーが柊さん。
わかりやすく丁寧な説明で、お客さんの質問に答えたり要望を聞き入れる彼の信頼度、満足感はかなり高い。
その上こんなにイケメンなのだ、女性に人気があるのは至極当然。
ただ、皆さんは知らない。
彼の極上スマイルと愛想は、すべて営業用だということを。