裏腹な彼との恋愛設計図
年下くんとオレンジの屋根の下
六月最後の水曜日。
ミライトホームの定休日である今日、私はゆるふわロングの髪をいつもより丁寧にセットしていた。
あとは、フリルがついたシフォンブラウスと、花柄のスキニーパンツに着替えて……。
本格的なデートじゃないし、気合いを入れ過ぎないファッションにしたつもりだけど、どうだろう。
矢城くんとのデートの日がやってきて、昨日の夜からそわそわしっぱなしだ。
おかげで待ち合わせ場所の駅に着いたのは、約束の時間より三十分も前。
「コンビニで時間潰すか……」
腕時計を見ながら呟き、梅雨晴れの暑い日差しの下、コンビニに向かって歩く。
すると、ガラス越しの店内に待ち人がいるのが見えて、私は目を丸くした。
「──矢城くん!」
呑気な音が鳴るコンビニの扉を押し開けて中に入ると、雑誌を立ち読みしていた彼も驚いたように目を見開く。
「紗羽さん!?」
「あは、ちょっと早く着いちゃって。時間潰そうと思ってここ来たら、矢城くんがいたからビックリしちゃった」
「マジですか? 俺も同じなんだけど」