裏腹な彼との恋愛設計図
「紗羽さん、甘い物好きですよね? ここの手作りプリンめちゃくちゃ美味いんですよ」

「そうなんだ? じゃあ後で食べよっか」


メニューを開いて目を輝かせる矢城くんは、なんだか子供みたい。


「矢城くんって、お子様メニューに出てきそうな料理好きでしょう」


頬杖をついて笑いながら言うと、彼はムッと口を尖らせる。


「……それは俺が子供っぽいってことですか」

「ごめんごめん。そうじゃないんだけど、色々わかりやすいなと思って」

「フォローになってないし」


拗ねる矢城くんも可愛いなぁ。

ふふっと笑う私に、彼は頭を掻いて小さくため息をつく。


「悔しいけどその通りです。ハンバーグとかカレーとか、大好物」

「やっぱり」

「……紗羽さんは、もっと大人の男が好きですか? それか、この間話してた同級生みたいな人?」


真面目な顔になった矢城くんに、まっすぐ見据えられながら聞かれた。

一瞬、頭の中に三好くんの姿が過ぎるけれど、私は薄く笑って首を横に振る。

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