裏腹な彼との恋愛設計図
ふいに、朝海の言葉が蘇ってくる。
『それって、その先輩が好きってことなんじゃなくて?』
『紗羽は鈍感だから身をもって理解するのが一番ね』
朝海の言う通りだ……
私ってやっぱり、鈍感でバカなドM女なんだ~~!!
「紗羽さん!」
頭を抱えて悶える私は、矢城くんの声で我に返った。
彼は少し怒ったような、険しい顔で私を見つめている。
「それは違う」
「え……?」
「そんな曖昧な気持ちは、“好き”だなんて言わないんですよ」
──その瞬間、ぐいっと手を引かれた私は、矢城くんの胸の中に飛び込んでしまった。
抜け出そうと試みても、しっかりと抱きしめられて動けない。
「ちょっ、矢城く──!」
「俺は諦めません」
力強い声が耳元で響き、無意識のうちに抵抗をやめていた。
彼の肩越しに、興味深げに私達を眺める人達が見える。
「絶対、紗羽さんのこと振り向かせる」
自分自身に言い聞かせているようにも思える言葉が、私の心臓をさらにつき動かした。
ま、まさか、こんなことになるとは──!
胸の鼓動とともに、二つの恋が急加速し始めていた。
『それって、その先輩が好きってことなんじゃなくて?』
『紗羽は鈍感だから身をもって理解するのが一番ね』
朝海の言う通りだ……
私ってやっぱり、鈍感でバカなドM女なんだ~~!!
「紗羽さん!」
頭を抱えて悶える私は、矢城くんの声で我に返った。
彼は少し怒ったような、険しい顔で私を見つめている。
「それは違う」
「え……?」
「そんな曖昧な気持ちは、“好き”だなんて言わないんですよ」
──その瞬間、ぐいっと手を引かれた私は、矢城くんの胸の中に飛び込んでしまった。
抜け出そうと試みても、しっかりと抱きしめられて動けない。
「ちょっ、矢城く──!」
「俺は諦めません」
力強い声が耳元で響き、無意識のうちに抵抗をやめていた。
彼の肩越しに、興味深げに私達を眺める人達が見える。
「絶対、紗羽さんのこと振り向かせる」
自分自身に言い聞かせているようにも思える言葉が、私の心臓をさらにつき動かした。
ま、まさか、こんなことになるとは──!
胸の鼓動とともに、二つの恋が急加速し始めていた。