裏腹な彼との恋愛設計図
午前中はオフィスでの仕事をそれぞれこなし、準備は午後に行うことに。

見学会の会場までは、柊さんが運転する社用車に女性陣三人が乗って向かうことになった。

後から古賀さんが来て手伝ってくれるらしい。

矢城くんは私をチラリと見て、「俺が手伝いに行きたかったな……」なんて文句を言っていたけどね。




「じゃ、行きますよ」


お昼休憩の後、皆が乗ったことを確認して柊さんは車を発進させる。

その運転さばきを初めて見た私は胸をときめかせていた。

絵梨子さん、瀬川さん! 助手席という特等席を私に譲ってくれてありがとうございます!


「明日来るのは十五組って言ってたっけ?」

「ですね。きっと暑いし、冷たい飲み物用意しておきましょうか」


後部席で絵梨子さん達が話している内容を軽く耳に入れつつ、私は横目で彼を観察する。

腕まくりしたワイシャツから伸びる筋肉質な腕、ハンドルを軽く握る綺麗な手、まっすぐ前を見る凛々しい横顔……。

すべてが胸キュンの材料になっちゃって、なんかもうこのカッコ良さは罪だ。

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