裏腹な彼との恋愛設計図
様々な想いを巡らせながらのそのそと手を動かす私に、気怠げな声が投げ掛けられる。


「何でそんなこと気にするんだ。関係ないだろ」


“関係ない”──その一言が胸に突き刺さる。

柊さんにとって、やっぱり私はどうでもいい存在なのだと言われているようで。

……けれど。


「関係ねぇよ……そんな過去のことなんて」


もう一度繰り返された言葉は、少し違う意味合いに聞こえた。

関係ないのは、私じゃなくて彼女のこと?


わずかな希望にすがるように目線を上げると、彼の瞳と視線が絡まる。

それはほんの一瞬で、長い睫毛はすぐに伏せられた。


「つーかお前、不器用すぎ」

「へ……?」

「いつになったら巻き終わるんだよ」

「あ」


もう意識が包帯を巻くことから全然違う所に飛んでいて、まったく巻けてない!


「鈴森に任せてた俺がバカだった……自分でやる」

「ま、待って! 今ちゃんとやりますから!」

「もういい、離せ」


まとわり付く私から逃れるように腕を引く柊さん。

そして次の瞬間。

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