海ホタル
彼はなんだか女の匂いがした。

アユミママとは違う、安っぽい香水の匂い。
彼の革靴が水を弾く。
ビニールの革靴。
髪の毛は金髪と茶髪の混ざったような色を出している。



でもとにかく目立つのは

寂しそうな目。それだけだった。

彼の横顔を眺めているうちに、いつの間にか意識はなかった。
< 12 / 40 >

この作品をシェア

pagetop