海ホタル
「あたしより大変な人いるんだね。お世話になりました」



聞きたかった。

話を聞いてみたかった。

笑顔の作り方を、教えて欲しかった。


「待てよ」




やっぱり彼は私の腕をつかんで呼び止めた。
「なに・・・・」



「食えるもん食ってがっこー行け」




そう言って
冷蔵庫に入れたはずのプッチンプリンを渡したのだ。



なぜ入れたはずのプリンがあるのかわからない。




ただ思ったのは




彼も孤独だった。






あたしと同じような



寂しさをしっているような気がした。
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