海ホタル
「ガラケーとか馬鹿にしてごめん。ただなんか嬉しかっただけ」

日本語にもならない日本語を、彼は平然と言った。
よくわからない日本語が得意な人なのだ。

「スマホ欲しいね」
と、小さな声と同時に
あたしとそっくりなケータイを差し出すと「ガラケー仲間」と、真っ黒なケータイを顔の前に出した。


それからイマドキ誰もやらない赤外線通信という方法で
わたしたちに繋がりができた。
< 34 / 40 >

この作品をシェア

pagetop