最後の夢
これはまだ私が愚かな考えだと気づく少し前のお話です。
◆◆◆
「裕司!早くしないと遅刻するよ!」
チャイムを連打しながら、裕司の家に叫ぶ私。
するといつものように疲れきった顔で「静かにしろよ。近所迷惑だろ…」という裕司。
そんな事をいう裕司だけど、私が寝坊した日は、私と同じ事をしていたらしい。
お母さんが笑いながらいってた。
裕司にそれを言うと「俺は毎日じゃないからいいけど、お前は毎日だろ?」と言ってきた。
失礼な。
はっきりいってその言葉は言い訳にしか聞こえないっつうの。
と思った時を思い出し、クスッと笑う。
「うわー。変態だ…変態がいる」
そういい私を冷たい目で見る。
失礼な。
変態じゃないし。
「変態は裕司の方でしょーが」
と可愛くないいい方で言い返す。
もっと可愛い言い方をしないとって何度も思う。
本当可愛らしくないなって。