私がうさみみ魔法少女！？（仮）

どうしようかなあ。 このまま昼休みが終わるまで立ってるのは辛い……。

仕方ない。 私の机のギャルは怖いから、私も熊井さん達の会話に混ぜてもらおう。

私は熊井さんの座席の方向に振り返り、歩いた。

「あ、あの……こんにちは。 途中にすいません。 挨拶しに来ました」

私はそう話しかけた。

「……！ クマ。 初めましてクマ」

「……ぁ……ごめんなさい……」

熊井さんが返事をする。 遅れて卯月さんが返事をする。

なぜ謝る。 人を恐れすぎだと思った。

「なぜ謝るクマ」

熊井さんも同じ事を思っていたみたい。

「なんにも悪いことしてないクマ、謝る必要は無いクマ」

「……あ、はい、すいません……」

「……もう！ ……あ、そうそう。 挨拶クマ。 クマは熊井球磨ですクマ」

自己紹介をする熊井さん。 今朝聞いた。

「あ、私は空井楯子です。 よろしくお願いします」

「空井さん、クマ。 よろしくお願いしますクマ……ってあれ？ 卯月君がいないクマ」

熊井さんが言う。 本当だ。 熊井さんとの会話でいっぱいいっぱいで気づかなかった。

「怖くないのに……クマ」

熊井さんが呟く。

そっか、私が怖がられて、逃げ出されたんだ……。

「怖かったかなぁ、私の顔」

「クマ……空井さんは悪くないですクマ。 ところで……話があるクマ」

私は悪くない……か。 本当に、なにがいけなかったんだろう。
今だけじゃない。 今までの全部……。


「話？ なぁに？ ……何ですか？」

「敬語じゃなくて良いですクマ。 ……ここじゃ話しにくいクマ。 放課後、空いてるクマ？」

「あ、はい。 放課後？ ……まぁ、うん、空いてるよ」

「じゃあ、その時聞いて欲しいクマ」

「うん、わかった」

……話しにくい話ってなんだろう？
まさか告白？ 女の子同士なのに、会ったばかりなのに、きゃー☆
……なんてね。


「ありがとうクマ。 それじゃあ、またあとで」

「うん、またあとで」

振り返ると、私の机には誰もいなくなっていた。

これなら昼休み終了まで時間を潰せるかな。